記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち

2025/07/03 05:29


「天ぷら」と聞いて思い浮かべるのは、サクサクとした衣に包まれた海老や野菜、そして揚げたての香り。けれど実はこの天ぷら、私たちが思っている以上に**“蒸し物的な調理法”**であることをご存じでしょうか?

本記事では、唐揚げやフライなど他の揚げ物と比較しながら、「天ぷらは蒸し物である」という観点を解説。そして、天ぷらを引き立てる器としての北欧食器やポーリッシュポタリーの魅力についても触れていきます。


◆ 揚げているのに、蒸している?──天ぷらの火の通り方

天ぷらの衣はとても薄く、サラッと素材にまとう程度。この状態で高温の油にくぐらせると、衣の中にある水分が一気に蒸気となって内部に充満します。つまり、衣の内側で食材が蒸し上がる状態になるのです。

このとき、素材そのものの旨味やみずみずしさが衣に閉じ込められ、表面はカリッと、中はふっくら。まるで“蒸し焼き”のような理想的な火の入り方をするのが、天ぷらの技術です。


◆ 唐揚げやフライとの違い──衣は主役か、脇役か

同じ「揚げ物」と呼ばれる料理であっても、唐揚げやフライは天ぷらとは考え方が異なります。

唐揚げは下味をしっかりつけた肉に粉をまぶし、しっかりと揚げて香ばしさを引き出します。フライ(とんかつやコロッケ)はパン粉の厚い衣が主役で、ザクザクとした食感や香ばしさを楽しむ料理です。

これに対し、天ぷらはあくまで「素材」が主役。衣は薄く、揚げ時間も短く、**素材の香りや旨味を包み込む繊細な“蒸しの技”**が生きています。


◆ 海外の揚げ物との比較──ガツンとした満足感 vs 素材を活かす繊細さ

欧米の代表的な揚げ物、アメリカのフライドチキンやイギリスのフィッシュ&チップスも比べてみましょう。

フライドチキンはスパイスのきいた分厚い衣が魅力。フィッシュ&チップスはビール入りの衣でサクサク感を出し、ボリューム重視の料理です。どちらも「揚げることで旨さを足す」タイプの料理です。

一方の天ぷらは、揚げることで素材の持ち味を引き出すという方向性。これは、**日本料理の「引き算の美学」**に通じています。


◆ 和の料理を、洋の器で楽しむ──天ぷらと器の相性

ここまで読んで「天ぷらは繊細な料理なんだ」と感じていただけたら、ぜひその美しさを器でも楽しんでいただきたいところです。

たとえば、北欧食器の落ち着いたトーンや、ポーリッシュポタリーの温かみあるデザインは、天ぷらの繊細な色合いや立ち上る湯気を引き立ててくれます。

● 北欧食器で天ぷらを盛るという選択

天ぷらの黄金色の衣は、北欧食器のグレイッシュな色彩や、深いブルー、くすんだグリーンのプレートとよく調和します。盛り付けた瞬間に、和と洋の美が交差するような美しい光景が食卓に現れます。

シンプルな形状の北欧の長皿やオーバルプレートは、天ぷらの「抜け感」を活かした盛り付けにぴったり。抹茶塩やおろし天つゆを添えるだけで、料亭のような雰囲気が完成します。

● ポーリッシュポタリーの器と油料理の好相性

ポーリッシュポタリーは、見た目の可愛さだけでなく、耐熱性や油汚れに強いという機能性も魅力。しっかりと釉薬がかかっているため、天ぷらのような油を使う料理でもお手入れがしやすく、日常使いにも最適です。

絵柄に彩りがある分、シンプルな盛り付けでも食卓が華やぎ、料理そのものがより印象的に映えます。


◆ 天ぷらは“蒸し物”であり、“アート”である

「揚げ物」と一括りにされがちな天ぷらですが、その実態はまるで蒸し料理のように繊細で、奥深い技術が込められています。そして、その繊細さを器が受け止めることで、料理と器の美の対話が生まれるのです。

和の技と洋の器の出会い──それは、日々の食卓をほんの少し特別にしてくれる、静かな喜び。

そんなひとときを、あなたのキッチンやダイニングにも届けられたら嬉しく思います。


🌿 PAYSAGEでは、天ぷらや和のおかずにも合う北欧食器・ポーリッシュポタリーを多数取り揃えております。料理の味わいだけでなく、器との組み合わせから生まれる食卓の美しさを、ぜひご体験ください。

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