記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち
2025/06/30 05:43
イタリア中部・マルケ州。この豊かな土地で育まれた伝統の味が、La Campofilone(ラ・カンポフィローネ)社のパスタです。
日本ではバリラやディ・チェコといったブランドがよく知られていますが、La Campofilone社の製品は、それらとは一線を画す“上質な手仕事”として現地イタリアでも評価されています。今回はその中でも、卵を使わずセモリナ粉のみで作られた「セモリナ100%パスタ」に焦点を当ててご紹介します。
素材と製法に宿る、真摯なものづくり
La Campofilone社のパスタづくりは、素材選びから始まります。使用するのはイタリア産の硬質小麦「デュラム・セモリナ」100%。このセモリナは、たんぱく質とグルテン含有量が高く、モチっとした食感と風味の良さで知られています。
このセモリナを自社農園で農薬不使用・非遺伝子組み換えの方法で育て、収穫後に低温で丁寧に保管。その後、伝統的なブロンズダイスで成形し、36℃以下という低温でじっくりと乾燥させることで、小麦本来の甘みと香ばしさを引き出しています。
ブロンズダイスを使うことで、表面に微細なざらつきが生まれ、ソースがよく絡むのも特徴です。特に卵を使わないタイプでは、小麦の味がストレートに伝わり、その繊細さが一層際立ちます。
食感、香り、そして表情
セモリナ100%のパスタは、ゆで上がりの弾力と小麦の香ばしさが絶妙です。特にオリーブオイルや野菜を活かしたシンプルなレシピでは、小麦本来の味わいがしっかりと感じられ、満足感のある仕上がりになります。
一方で、卵入りのタイプもあり、こちらは濃厚なソースとの相性が抜群。卵のコクと色合いが加わることで、ラグーやクリームソースのような重めのソースにも負けない、リッチな味わいが楽しめます。
お好みに応じて、ソースや器との組み合わせを考えるのも楽しみのひとつです。
パッケージに宿る誠実さ
La Campofilone社のパスタは、クラフト紙のようなナチュラルな風合いの袋に、透明の窓がついたシンプルなパッケージが印象的です。そこからのぞくパスタの姿には、どこか手作りのぬくもりが漂います。
控えめなブランドロゴと「100% grano italiano(イタリア産小麦100%)」という表示が、素材への自信と誠実さを物語っています。贈り物としても十分に通用する美しい佇まいです。
日本市場での価格と現地との違い
日本国内でも一部の輸入食材店やオンラインショップで取り扱いがあり、例えば250gの卵入りパスタが税込1,100円前後で販売されています。500g換算でおよそ2,200〜2,400円ほどとなり、100gあたり約450円〜480円とやや高価な部類に入ります。
一方、イタリア本国では500gあたり3ユーロ〜3.5ユーロ程度(日本円で約420〜490円)で販売されており、日本では輸送コストや関税等を考慮すると妥当な価格帯といえるでしょう。
北欧食器やポーリッシュポタリーとの美しい調和
こうした上質なパスタをさらに引き立てるのが、食器の存在です。例えば、淡いブルーや白を基調としたARABIAのプレートに盛りつければ、素材の色と風味がより一層映えます。ポーリッシュポタリーの温かみのある深皿に、ラグーソースを添えたタリアテッレを盛れば、食卓はまるでヨーロッパの家庭のような雰囲気に。
特別な調理をしなくても、このパスタそのものが「食卓を整える」一品になってくれる。それがLa Campofiloneの魅力です。
まとめ
La Campofilone社のセモリナパスタは、イタリアの伝統、素材への誠実な姿勢、そしてクラフトマンシップが詰まった逸品です。特に卵不使用タイプは、小麦の旨みと香りが凝縮されており、どんなシンプルな料理にも奥行きを与えてくれます。
価格は決して安くはありませんが、それだけの価値がある。美しい器とともに楽しむことで、料理が単なる食事から“体験”へと昇華する──そんな時間を、ぜひご家庭で味わってみてはいかがでしょうか。
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