記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち

2025/06/12 05:49


エキストラバージンオリーブオイルは料理の香りを引き立てるだけでなく、オレイン酸をはじめとする脂肪酸が豊富で体にもやさしいオイルです。この記事では、エキストラバージンオリーブオイルの誤解を解消しつつ、ピュアオリーブオイル、キャノーラ油との違いや特徴、歴史、脂肪酸構成、さらに実際の使用状況について詳しく解説いたします。


エキストラバージンオリーブオイルの特徴と歴史

特徴

エキストラバージンオリーブオイル(EVOO)は、オリーブの実を搾っただけの一番搾りオイル。化学的な精製や加熱処理を行わないため、オリーブ本来のフルーティーな香りと豊かな風味がそのまま残っています。酸度は0.8%以下という厳しい基準を満たし、ほのかな苦味やスパイシーな後味も特徴です。

さらに注目すべきは、脂肪酸のバランスです。

  • オレイン酸(約70〜80%)
    一価不飽和脂肪酸で、人間の体内で最も多い脂肪酸。悪玉コレステロール(LDL)を減らし、動脈硬化や生活習慣病の予防に寄与します。

  • 飽和脂肪酸(約10〜15%)
    酸化や加熱に強く、オリーブオイルの安定性を高める役割を果たします。過剰摂取は避けたいですが、適量なら体のエネルギー源として重要です。

  • α-リノレン酸(オメガ3系、微量)
    体内で合成できない必須脂肪酸。抗炎症作用や脳の健康をサポートする働きがあります。

このように、エキストラバージンオリーブオイルは風味だけでなく、体にやさしい脂質を摂取できる点でも優れています。

歴史

オリーブオイルの歴史は紀元前4000年頃まで遡り、古代ギリシャやローマでも日常的に使われていました。地中海の豊かな土壌と気候が育んだオリーブオイルは、今や世界中で愛される存在です。


「エキストラバージンオリーブオイルは加熱に使えない」という誤解

「エキストラバージンオリーブオイルは加熱調理に向かない」という声を耳にすることがありますが、これは誤解です。実際には180〜190℃程度の中温度域まで安定して使え、ソテーや炒め物、軽い揚げ物まで幅広く対応可能です。

真実

  • 発煙点(煙が出る温度)
    180〜210℃程度で、家庭での炒め物やソテー、低温の揚げ物(160〜170℃)に十分対応します。

  • 加熱の影響
    高温で長時間加熱すると香りや栄養価が損なわれるのは事実ですが、適切な温度管理を行えばオリーブオイル特有の香りやオレイン酸・ポリフェノール類を活かした調理が楽しめます。

率直に言うと

「加熱NG」というのは誇張された表現です。エキストラバージンオリーブオイルはむしろ加熱調理にも十分使えますし、風味と健康価値を同時に楽しめます。
個人的な見解としては、価格を気にしないのであれば家庭で作る料理はすべてエキストラバージンオリーブオイルで賄ってしまっても良いくらいだと思っています。生食でも、加熱でも、万能に使える魅力が詰まったオイルです。


ピュアオリーブオイルの特徴と違い

特徴

ピュアオリーブオイルは、精製オリーブオイルにエキストラバージンオリーブオイルをブレンドしたもの。酸度がさらに低く、クセのないマイルドな風味が特徴です。高温調理に向き、オリーブの香りを抑えたい料理にも適しています。


キャノーラ油の特徴と歴史・使用状況

特徴

キャノーラ油はアブラナ科の菜種を改良して作られた植物油で、クセがなく軽い味わい。オメガ3脂肪酸やビタミンEを含み、揚げ物や炒め物、ドレッシングなど幅広い料理に使われます。

歴史

1970年代にカナダで、エルカ酸を大幅に低減した菜種品種から開発されました。名前は「カナダ(Canada)」と「オイル(Oil)」を組み合わせた「Canola」に由来します。

世界中での使用状況

キャノーラ油はカナダやアメリカ、オーストラリアなど一部の国では日常的に使われています。しかし、実際には多くの国ではキャノーラ油はあまり普及しておらず、特にオリーブオイル文化が根付いた南欧や中東地域ではオリーブオイルが圧倒的に支持されています。


まとめ

エキストラバージンオリーブオイルはフレッシュな香りと豊かな風味に加え、オレイン酸をはじめ、飽和脂肪酸やα-リノレン酸を含むバランスの良い脂肪酸構成が魅力です。加熱NGというのは誤解で、炒め物など中温調理にも十分対応できます。ピュアオリーブオイルはマイルドで高温調理に適し、キャノーラ油は一部の国で便利に使われているものの、世界的に見れば主流とはいえません。
そして個人的な見解としては、価格を気にしないのであれば、家庭での全ての料理をエキストラバージンオリーブオイルにしてしまっても良いと思うほど、その風味と健康価値は魅力的です。


お気に入りの食器と共に、美味しい料理をさらに楽しみましょう。
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