記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち

2025/05/29 05:53


「北欧食器」と聞いて思い浮かぶブランドはいくつかありますが、その中でもスウェーデンの名窯「グスタフスベリ(Gustavsberg)」は、ひときわ芸術性と歴史の深さで知られています。

1825年にスウェーデンで創業して以来、グスタフスベリはデザイン性・実用性・クラフトマンシップを兼ね備えた陶磁器を生み出し、世界中の北欧ファンを魅了してきました。

本記事では、グスタフスベリの成り立ちと代表的なシリーズ、そして何よりブランドを支えた偉大なデザイナーたちの功績を詳しくご紹介します。


グスタフスベリの歴史|スウェーデンで生まれた北欧食器の名門

グスタフスベリは、ストックホルム東部の港町グスタフスベリ村にて、1825年に創業しました。
当初は実用品の陶器製造を行っていましたが、20世紀に入るとデザインへの注力を開始。

特に1930年代以降は、芸術性の高い陶磁器ブランドとしての地位を確立し、北欧モダンデザインの一翼を担う存在へと成長しました。


グスタフスベリを世界に知らしめた3人の巨匠デザイナー

スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)|北欧モダンの代名詞

  • 活動時期:1940〜1980年代

  • 肩書き:陶芸家/イラストレーター/グスタフスベリのアートディレクター

  • 代表作

    • ベルサ(Bersa):緑の葉モチーフで人気No.1

    • プルーヌス(Prunus):青い果実柄が爽やか

    • アダム&エヴァ(Adam & Eva):ブルードット&赤ハートのユニークなペア

リンドベリは「芸術と日用品の境界をなくす」ことを信条に、多彩な器をデザイン。
使いやすく、遊び心にあふれた器たちは、現在でも多くの復刻版が販売されています。


ウィルヘルム・コーゲ(Wilhelm Kåge)|工芸と芸術を融合させた開拓者

  • 活動時期:1917年〜1950年代

  • 功績

    • グスタフスベリのアート部門創設

    • 後継者の発掘(リンドベリを育てた)

    • アリファ(Argenta):銀彩を施した高級装飾陶器

彼は量産品と芸術作品の両方を重視し、“工業デザインと芸術性のバランス”を提唱した先駆者です。


リサ・ラーソン(Lisa Larson)|温かく親しみやすいフォルムで世界的人気に

  • 活動時期:1954年〜

  • 代表作

    • 陶製のライオンやネコ、ハリネズミのフィギュアシリーズ

    • 子どもや民族衣装をモチーフにした人物像シリーズ

彼女の作品は、温もりのある丸みを帯びた造形が特徴。
日本では展覧会やコラボ商品も登場するなど、根強い人気を誇っています。


グスタフスベリの代表シリーズ紹介

ベルサ(Bersa)

  • 葉っぱ柄が印象的な北欧モダンの代表作

  • シンプルな白磁とグリーンのコントラストが爽快

プルーヌス(Prunus)

  • 青い果実のパターンが可愛らしい

  • どこかレトロで、今見ても新鮮

アリファ(Argenta)

  • コーゲによる装飾陶器

  • 緑釉に銀の装飾という独特なスタイルで、工芸品としての価値が高い


Made in Sweden|今も守られるスウェーデン製の誇り

グスタフスベリの魅力は、デザインだけではありません。

  • 現在でも一部の製品がスウェーデン国内で製造されています

  • 職人による手作業の復刻版も多く、品質へのこだわりが随所に感じられます

  • Made in Sweden」の刻印は、信頼の証としてヴィンテージ市場でも高く評価されています


ヴィンテージ市場でのグスタフスベリの価値

ヴィンテージグスタフスベリのアイテムは、国内外のコレクターから非常に高い評価を受けています。

特に人気があるのは以下のようなシリーズです:

  • ベルサのマグ・プレート(復刻品よりも当時物が希少)

  • リサ・ラーソン初期作品(裏印により年代判別可)

  • アリファの花器(銀彩の状態が良ければ高評価)

ヴィンテージと現行復刻品を組み合わせて楽しむのも、北欧食器の醍醐味です。


まとめ|グスタフスベリは北欧食器の芸術品

グスタフスベリは、単なる器ではなく、スウェーデンが誇る生活文化と芸術の結晶です。

  • 歴史:1825年創業、北欧モダンの中核ブランド

  • デザイン:リンドベリ、コーゲ、リサ・ラーソンら巨匠が手がけた傑作揃い

  • 製造:今も一部がスウェーデン製、品質と伝統を守り続けている

  • 魅力:実用性と芸術性、ヴィンテージの資産価値

あなたの食卓にも、グスタフスベリの器で北欧の美意識を添えてみてはいかがでしょうか?


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