記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち
2025/04/17 05:16
こんにちは。今日は、山口県下関を中心に受け継がれてきた郷土料理「ちしゃなます」についてご紹介します。
ちしゃなますは、サニーレタスに似た伝統野菜「ちしゃ(かきちしゃ)」をちぎり、酢味噌で和えたシンプルな一品。やさしい味わいと栄養バランスの良さから、昔から家庭料理として親しまれてきました。
その起源は毛利時代、関ヶ原の戦い後の困窮した人々の暮らしの中で生まれたと言われており、萩ではおもてなし料理の一つとしても伝えられています。現在では手に入りにくくなった「ちしゃ」の代わりに、サニーレタスや春菊、グリーンレタスで作ることも多くなっています。
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■ちしゃなますの歴史と由来
「ちしゃ」とは、下関市を中心に伝わる伝統野菜で、縮れた葉とほのかな苦味、やさしい甘みが特徴です。葉を下から順に摘んで収穫することから、摘むを意味する方言「かぐ」が語源となり、「かきちしゃ」と呼ばれています。
この「かきちしゃ」を使った代表的な郷土料理が「ちしゃなます」。酢味噌でちぎった葉を和えるだけの素朴な料理ですが、栄養価が高く、ちりめんじゃこを加えることでカルシウムやたんぱく質もしっかり補える万能な一品です。
かつてはどの家庭でも庭先で「ちしゃ」を育て、季節の移ろいとともに自然に食卓にのぼっていたと言われています。現在ではちしゃの入手が難しく、代わりにサニーレタスや春菊が使われることも多くなりました。
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■ちしゃなますのレシピ(4人分)
材料
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ちりめんちしゃ(またはサニーレタス):200g
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ちりめんじゃこ:15g
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麦味噌 または 白味噌:大さじ2と1/3
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砂糖:大さじ1と2/3
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酢:大さじ1と2/3
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カボス果汁:適量(味を見ながら調整)
作り方
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ちりめんちしゃを洗って7~8cmほどに手でちぎり、水気をしっかり切る。アクが気になる場合は5〜10分ほど水にさらしておく。
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ちりめんじゃこはフライパンで軽く乾煎りして、香ばしさを引き出す。
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ボウルまたはすり鉢で、麦味噌または白味噌・砂糖・酢をよく混ぜ、味を見ながらカボス果汁を加えてさっぱりした酢味噌だれを作る。
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食べる直前に、ちしゃとちりめんじゃこを酢味噌で和えて完成。
カボスの爽やかな酸味が加わることで、ちしゃのほろ苦さと味噌のコクが引き立ち、さらに奥行きのある味わいに。お好みに応じて甘さや酸味を調整しながら、自分だけの味を楽しめます。
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■「ちしゃなます」と器の相性:北欧食器やポーリッシュポタリーで映える和の一皿
ちしゃなますは、白と緑の爽やかな彩りを持つ料理。どの器に盛るかによって、ぐっと印象が変わります。
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●北欧食器との相性:Iittala(イッタラ)やArabia(アラビア)
北欧デザインの代表格、イッタラの「Teema」シリーズは、プレーンなホワイトや柔らかなグリーンカラーが特徴。ちしゃなますのナチュラルな雰囲気とよく調和し、スタイリッシュな和モダンの食卓を演出できます。
また、Arabiaの「パラティッシ」や「ルノ」などの柄物シリーズは、料理に華を添えつつ、異文化の魅力的な融合を楽しめる組み合わせです。
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●ポーリッシュポタリーとの相性
ポーランドの伝統的な手描き陶器、ポーリッシュポタリーは、ちしゃなますのような素朴な料理にぴったり。特に青と白を基調とした小鉢やボウルは、料理のやさしい色合いを引き立てつつ、華やかさも加えてくれます。
マヌファクトゥラのボウルに盛りつければ、まるで北欧のカフェのような雰囲気に。和の郷土料理が、器の力で洗練された一皿へと変わります。
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■まとめ:伝統の味を、お気に入りの器とともに
「ちしゃなます」は、山口県下関を中心に代々受け継がれてきた、やさしい味わいの郷土料理。戦乱の時代に生まれ、人々の工夫と知恵によって守られてきた一品です。
現代では、手に入りやすい野菜とちりめんじゃこで手軽に楽しむことができ、カボスの香りを添えてさらに上品に。そこに北欧食器やポーリッシュポタリーといったお気に入りの器を添えれば、日常の食卓がほんの少し特別になります。
ぜひ、季節の移ろいを感じながら、「ちしゃなます」と器のコラボを楽しんでみてくださいね。
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