記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち

2025/03/29 05:19


北欧の暮らしに根ざしたフィンランド食器は、長く厳しい冬を明るく彩る工夫が詰まった、美しさと実用性を兼ね備えた食器です。特に、自然へのまなざしが宿るそのデザインは、四季折々の移ろいを大切にする日本人の美意識とも深く共鳴します。

今回は、「フィンランド食器に息づく自然美」と「日本の四季との共通点」にフォーカスしながら、その魅力を丁寧に紐解いていきます。


フィンランド食器とは?|北欧食器の代表的存在

フィンランド食器は、北欧食器の中でも特に人気が高く、Iittala(イッタラ)やArabia(アラビア)などのブランドが世界的に知られています。自然をモチーフにしたやわらかなラインや、落ち着いた色調が特徴で、「日常に溶け込むデザイン」として多くの家庭に愛されています。

フィンランド食器の特徴

  • 自然への敬意:森・湖・動植物などを表現した絵柄やフォルム

  • ミニマルで美しい実用性:シンプルながら手に馴染み、使いやすい形状

  • 色彩のやさしさ:派手さよりも穏やかさを大切にしたトーン

これらの要素が、日本の器ともどこか通じ合うように感じられる理由は、実は私たちが大切にしてきた「自然との共生」にあるのです。


日本の四季と響き合う、フィンランドの自然美

フィンランドの自然は、森と湖に囲まれた静寂の世界。そこに暮らす人々は、移り変わる季節の光や空気を敏感に感じ取り、生活やデザインに反映させてきました。

これは、日本の四季に寄り添った暮らしとどこか似ています。

春:やわらかな花模様

たとえば、アラビアのパラティッシシリーズのように、草花を大胆かつやさしく描いたデザインは、日本の桜や梅のように「花咲く季節の喜び」を感じさせます。

夏:水と光のきらめき

イッタラのガラス食器に見られる透き通るブルーやグリーンは、フィンランドの湖や日本の清流、夏の陽光に通じる美しさがあります。

秋:実りと落ち着き

落ち着いたブラウンやオリーブカラーを取り入れた器は、日本の秋の食卓とも調和し、栗やきのこ、焼き魚などと合わせても素敵です。

冬:静寂と温もり

長い冬を快適に過ごすためのフィンランド食器は、温かみのある釉薬や厚みのあるフォルムが特徴。これは、日本の鍋料理や温かい煮物などにも相性抜群です。


フィンランド食器は「使って楽しむアート」

北欧デザインの真髄は、「アートを暮らしに取り入れる」こと。フィンランド食器もまた、棚に飾るだけでなく、日々使って楽しむことでその価値が深まる器です。

特に日本の食文化と組み合わせることで、和と北欧が美しく調和し、新たな食卓の風景が生まれます。

  • 木製トレイにフィンランドのマグと和菓子を添える

  • 朝食のパンとヨーグルトを北欧のプレートに盛る

  • シンプルな器に季節の果物をのせて楽しむ

これらはすべて、自然と寄り添う心が生んだ発想とも言えるでしょう。


北欧食器と日本の暮らしをつなぐ、選び方のヒント

デザインで選ぶ

自然モチーフや幾何学パターンなど、自分の好きな世界観を表現できるデザインを選びましょう。

色で選ぶ

食卓の季節感を引き立てたいなら、春は明るい色、秋冬は深みのある色を意識すると良いでしょう。

サイズ・形で選ぶ

日本の家庭料理に合わせやすいサイズ感を選ぶと、実際の使い勝手もぐんと良くなります。


まとめ|自然と共にある暮らしに、フィンランド食器の美を

フィンランド食器の魅力は、ただの「北欧のおしゃれな器」にとどまりません。そこには、自然に寄り添いながら丁寧に暮らす姿勢があり、四季と共に生きる日本の暮らしとも重なる部分が多くあります。

毎日の食卓を、心地よく、豊かに。
季節を感じ、器を楽しむ。
そんな暮らしのパートナーとして、フィンランド食器を取り入れてみてはいかがでしょうか。


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