記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち
2025/03/14 05:48
最近、ワイン愛好家の間で注目を集めている「オレンジワイン」。白ワインでも赤ワインでもない、独特の味わいと美しい色合いが特徴のワインです。日本でもじわじわと人気が高まりつつあるこのオレンジワインについて、その特徴や製法、楽しみ方、さらには適したワイングラスについて詳しくご紹介します。
オレンジワインとは?
オレンジワインとは、白ブドウを使いながらも、赤ワインのように皮や種と一緒に発酵させることで造られるワインのことです。その結果、鮮やかなオレンジ色や琥珀色を帯びたワインが生まれ、白ワインよりもコクとタンニンを感じられる味わいになります。
実はオレンジワインは、4000年以上前から存在する伝統的なワインのスタイルでもあります。特にジョージア(旧グルジア)では、「クヴェヴリ」と呼ばれる大きな素焼きの壺を使い、ブドウを自然発酵させる製法が今でも受け継がれています。
オレンジワインの製法と特徴
オレンジワインは、製造工程において赤ワインのような醸造方法を採用します。一般的な白ワインはブドウの果汁のみを発酵させるのに対し、オレンジワインは果皮や種も一緒に漬け込む(スキンコンタクト)ことで、独特の風味と色が生まれます。
オレンジワインの色合いは淡いゴールドから濃いオレンジ、琥珀色までさまざまで、味わいには白ワインのようなフレッシュさに加え、タンニンの渋みと複雑な旨味が感じられます。香りは熟した柑橘類、アプリコット、ハーブ、ナッツ、紅茶などの豊かなアロマが特徴で、ボディ感は軽やかなものからフルボディまで幅広く楽しめます。
オレンジワインの産地
オレンジワインは世界中で造られていますが、特に有名な産地には、ジョージア、イタリア(フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州)、スロベニア、フランス(アルザス地方)、そして日本が挙げられます。
ジョージアはオレンジワイン発祥の地とも言われ、「クヴェヴリ」を使った伝統的な製法が特徴的です。イタリアのフリウリ地方では20世紀後半からオレンジワインが復活し、ヨスコ・グラヴナーやラディコンといった名だたる生産者がいます。スロベニアもイタリアの隣国として同様のスタイルのワインを生産し、自然派ワインが多い地域です。フランス・アルザス地方では、ゲヴュルツトラミネールやピノ・グリを使用したオレンジワインが増えています。また、日本でも長野や山梨などで少量ながら生産されるようになってきました。
オレンジワインの楽しみ方
オレンジワインは料理との相性が非常に良いことで知られています。白ワイン、赤ワインそれぞれの特徴を持ち合わせているため、ペアリングの幅が広いのも魅力です。
チーズではウォッシュタイプや熟成チーズとよく合い、グリル野菜やロースト野菜とも好相性です。また、スパイスを多く使うエスニック料理(カレー、タンドリーチキン)や、味噌料理、醤油ベースの煮物などの和食とも抜群のマッチングを見せます。
温度は12〜14℃くらいが最適で、赤ワインのように少し冷やしすぎずに楽しむのがおすすめです。また、グラスによって味わいが変わるため、適したワイングラスを選ぶことも重要です。
オレンジワインに適したワイングラス
オレンジワインは白ワインと赤ワインの中間的な特徴を持つため、適したグラスを選ぶことが重要です。基本的には、白ワイン用よりもやや大きめのボウルを持ち、香りが広がりやすい形状のグラスが理想的です。
イッタラの「エッセンス ワイングラス」は、白ワイン・赤ワインどちらにも使える万能グラスで、ボウルが適度に大きく、オレンジワインの香りを引き立てるのに適しています。シンプルなデザインでカジュアルにもフォーマルにも使いやすい点も魅力です。
イッケンドルフ ミラノの「デカンタワイングラス」は、ナチュラルなオレンジワインやビオワインと相性が良く、ハンドメイドならではの温かみのあるデザインが特徴的です。薄手のガラスで、繊細なオレンジワインの風味を最大限に楽しめます。
リーデルの「ヴェリタス オークド・シャルドネ」や「オールドワールド シラー」は、オレンジワインの複雑な香りを引き出し、タンニンをなめらかにする効果があります。特に、ボウルが大きめで酸素に触れやすいため、オレンジワインの個性をしっかりと感じることができます。
グラス選びのポイントとして、白ワイン用よりもやや大きめのボウル(85〜95mm径)、香りが広がりやすい飲み口、ステム付きのデザインが最適です。イッタラはカジュアルに、イッケンドルフ ミラノはナチュラルワイン向けに、リーデルは本格的にオレンジワインを楽しみたい方におすすめです。
まとめ
オレンジワインは、白ワインと赤ワインの特性を兼ね備えたユニークな味わいを持つワインです。特に、ナチュラルな製法や食事との相性の良さから、世界的に人気が高まっています。適したグラスを選ぶことで、その魅力をさらに引き出すことができるので、ぜひお気に入りのグラスで楽しんでみてください。