記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち

2025/03/10 06:04

北欧食器が日本でも広く支持されている理由の一つに、日常使いの利便性があります。特に北欧ブランドのプレートやボウルは、多くがオーブン対応となっており、調理から食卓までシームレスに活躍します。一方、日本の有名な陶磁器産地(例えば、有田焼や九谷焼、益子焼など)の食器は、その美しい意匠や伝統的な技法が魅力である一方、多くがオーブン非対応となっています。この違いはどのような理由に基づいているのでしょうか?

北欧食器がオーブン対応な理由

北欧食器の多くはストーンウェア(炻器)や磁器(ポーセリン)を中心に作られており、耐熱性に優れた特徴があります。特にストーンウェアは、1200度以上の高温で焼成され、焼き締めが強固なため、温度変化に強く、オーブンでの使用にも耐えることができます。例えば、アラビア(ARABIA)やイッタラ(iittala)などは、食器自体が調理器具としての機能性も重視しているため、オーブン使用可能な製品が多くラインナップされています。

日本の伝統的な陶磁器がオーブンに非対応な理由

一方、日本の陶磁器産地である有田焼や九谷焼などは、一般的に磁器が主流ですが、主に装飾性や芸術性に焦点が置かれています。これらの器は釉薬(うわぐすり)による繊細な絵付けや装飾技法を用いており、オーブンの高温や急激な温度変化には弱い特性があります。また、日本の陶器(例えば益子焼や信楽焼)は磁器に比べてやや低い温度で焼成され、吸水性があるため、オーブンの使用により割れやヒビが生じやすいのです。

用途に合わせて選ぶ食器の楽しみ方

北欧食器は実用性を兼ね備えつつ、美しいデザインも楽しめるため、日常的な調理やオーブン料理には最適です。特に「イッタラ ティーマ」シリーズや「アラビア パラティッシ」シリーズなどは耐熱性に優れ、日々の食卓に彩りを添えます。

日本の有名産地の食器は、繊細で美しい意匠を楽しみたいおもてなしや、特別な日のテーブルコーディネートにぴったりです。オーブンには使用できませんが、和食やデザートなどを美しく盛り付ける楽しみがあります。

食器を選ぶ際は、自分のライフスタイルや用途に応じて材質や特性をよく理解し、シーンに応じて使い分けることが豊かな食卓づくりにつながります。

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