記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち

2025/02/22 06:33

台湾に訪れた際に「台湾語」と「中国語(普通話)」の違いに戸惑ったことはありませんか?台湾では公用語として中国語(普通話)が使われていますが、実は日常生活では「台湾語(閩南語)」も多く話されています。本記事では、台湾語と中国語の違いについて詳しく解説します。


1. 言語の分類

台湾語は「閩南語(ミンナン語)」の一種で、中国福建省南部(泉州・漳州)を起源とする言語です。一方、中国語(普通話)は「官話」に分類され、中国の標準語として広く使われています。

台湾語は台湾や福建省南部、シンガポールなどで話され、中国語(普通話)は中国本土、台湾、シンガポールなどで公用語として使用されています。


2. 発音と声調の違い

台湾語は7〜8種類の声調を持ち、普通話よりも複雑な発音体系を持ちます。特に「鼻音が多い」「語尾の変化が大きい」などの特徴があります。

一方、中国語(普通話)は4声調(陰平、陽平、上声、去声)で、比較的明瞭な発音です。


3. 語彙の違い

台湾語と中国語(普通話)では、同じ意味の単語でも全く異なる言葉が使われることが多いです。

例えば、「ありがとう」は台湾語では「多謝(To-siā)」、普通話では「謝謝(Xièxiè)」といいます。「ご飯」は台湾語では「飯(Pn̄g)」、普通話では「米飯(Mǐfàn)」となります。

また、「こんにちは」は台湾語で「你好(Lí-hó)」、普通話では「你好(Nǐ hǎo)」です。「どこ?」と尋ねる場合、台湾語では「佗位(Tó-uī)」、普通話では「哪裡(Nǎlǐ)」と表現します。「かわいい」は台湾語では「媠(Suí)」、普通話では「可愛(Kě'ài)」となります。


4. 文法の違い

台湾語は動詞の繰り返しや語気助詞が多用され、普通話とは異なる文型を持ちます。

例えば「ご飯を食べましたか?」という表現を比較すると、中国語(普通話)では「你吃飯了嗎?(Nǐ chīfàn le ma?)」といいますが、台湾語では「恁食飽未?(Lín tsia̍h-pá bē?)」となります。台湾語では「お腹いっぱいになりましたか?」という意味合いが強く、日常の挨拶としても使われます。


5. 文字の違い

台湾語には正式な表記法が確立されていませんが、一般的に漢字で表記されることが多いです。一方、中国語(普通話)は台湾では繁体字、中国本土では簡体字が使用されます。

例えば、「あなたの名前は?」を台湾語で言うと「恁的名是啥物?(Lín ê mê sî siá-mih?)」となります。これを普通話では「你的名字是什麼?(Nǐ de míngzì shì shéme?)」と表現します。


6. 日本語の影響

台湾は日本統治時代(1895年~1945年)に日本語教育を受けた影響で、現在も日本語由来の言葉が日常的に使われています。例えば、「便當(Biàndāng)」は弁当、「歐吉桑(Ōjīsan)」はおじさんを意味し、これらの言葉は台湾語にも普通話にも残っています。また、日本のアニメや文化の影響で、日本語の単語や表現が若い世代の間でも使われることがあります。


7. 食器の使い方の違い

台湾では、食器の使い方に日本と異なる点があります。例えば、台湾の伝統的な食卓では、家族全員で大皿の料理を共有するのが一般的です。そのため、自分専用の取り皿を使って食べることが多く、日本のように個別の一汁三菜のような形ではありません。

また、台湾ではスプーンやお箸が一般的に使われますが、日本とは異なり、箸を逆さに持ち替えて取り箸として使う習慣はほとんどありません。食事の際には取り分け用の箸やスプーンを使うことが一般的です。

さらに、台湾では茶碗を持ち上げて食べるよりも、テーブルに置いたまま食べることが多い点も日本との違いのひとつです。


8. 使用状況

台湾では公の場では普通話が使われますが、家庭や日常会話では台湾語を話す人も多いです。特に高齢者は台湾語を母語とする人が多く、若い世代は普通話を中心に話しますが、台湾語も理解できる人が多いです。

また、台湾のバラエティ番組や演歌(台語歌)では台湾語がよく使われています。


まとめ

台湾語は閩南語の一種で、台湾や福建省南部などで話されており、中国語(普通話)は中国の標準語として台湾や中国本土で公用語となっています。

発音に関しては、台湾語は7〜8声調と複雑で、中国語(普通話)は4声調と比較的シンプルです。文法の違いも大きく、台湾語では語気助詞や動詞の繰り返しが多く使われます。

さらに、台湾には日本語の影響が残っており、日本語由来の言葉が日常的に使われています。また、食器の使い方も日本とは異なり、大皿を共有しながら食べる文化が根付いています。

台湾を訪れる際には、普通話を使えば問題なくコミュニケーションが取れますが、台湾語を少し話せると地元の人とより親しくなれるでしょう!台湾文化に興味がある方は、ぜひ台湾語にも挑戦してみてください!