記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち
2025/05/04 05:50

春の訪れとともに店頭に並ぶ「ふき」。そのふきを使った佃煮「きゃらぶき」もまた、昔ながらの家庭の味として親しまれています。名前が似ているこの2つですが、実は明確な違いがあります。
今回は、「ふき」と「きゃらぶき」の違いをわかりやすく解説しながら、北欧食器やポーリッシュポタリーと合わせた盛り付けの楽しみ方もご紹介します。
「ふき」とは?
「ふき(蕗)」は日本原産の多年草で、春になると山野や道端など自然の中に姿を見せます。私たちが食べるのは、葉と根の間にある茎のような部分「葉柄(ようへい)」。この部分をアク抜きしてから調理し、煮物や炒め物、味噌和えなどで楽しみます。
独特の香りとほろ苦さがあり、春らしさを感じられる旬の味。出汁を含んでやわらかく煮上がったふきは、まさに「日本の春」を象徴する一皿です。
「きゃらぶき」とは?
「きゃらぶき」は、ふきを使った料理の名前です。細く香りのよい野ふきを醤油、みりん、砂糖でじっくり煮詰め、佃煮に仕上げた保存食のこと。見た目は濃い茶褐色でツヤがあり、まるで香木の「伽羅(きゃら)」のような色合いをしていることから、その名がついたといわれています。
しっかりした味付けで日持ちもするため、ご飯のお供やお弁当の一品、お酒のあてにもぴったりです。
違いをひとことで言えば
「ふき」は山菜そのもの。
「きゃらぶき」は、そのふきを甘辛く煮た料理です。
つまり、素材(ふき)とその調理法(佃煮=きゃらぶき)の違いが、それぞれの呼び名に表れているのです。
北欧食器やポーリッシュポタリーと楽しむ「ふき料理」
春の山菜料理は、和の器に限らず洋の器にもよく合います。例えば…
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ふきの煮物には、ポーリッシュポタリーの深皿タイプの小鉢がおすすめ。伝統的な小花柄や青を基調としたパターンが、淡い緑のふきを引き立てます。
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きゃらぶきのような佃煮は、北欧ブランドの白磁やグレー系の浅めの豆皿に盛ると、コントラストが際立ち、上品に映えます。
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ほかの副菜と合わせてワンプレートに盛りつける場合は、ナチュラルな木製トレイや、温かみのあるポーランド陶器の大皿と合わせても、和洋折衷の食卓が完成します。
器の力で、昔ながらの家庭の味も、現代的でスタイリッシュな一皿に生まれ変わるのです。
おわりに
ふきは「季節の恵み」。きゃらぶきは「ふきを活かした伝統の保存食」。どちらも春ならではの風味を楽しめる、素朴で味わい深い存在です。
お気に入りの器に盛りつければ、いつもの食卓にほんの少しの新鮮さと喜びを加えることができます。
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