記事 | PAYSAGE-お気に入りの食器たち
2025/06/25 05:56
チーズやアイスクリームに、ほんの数滴たらすだけで味わいを格段に引き立ててくれるバルサミコ酢。その中でも、甘さ・とろみ・深みの三拍子が揃った逸品として注目を集めているのが「モンテベロ スペシャル」です。
今回は、このモンテベロ スペシャルについて、その製造背景や味わい、海外での評価までを詳しくご紹介します。
モデナ発──Fondo Montebelloの誇る高濃度バルサミコ
モンテベロ スペシャルは、イタリア・モデナ地方にあるバルサミコ専門蔵「Fondo Montebello(フォンド・モンテベロ)」によって造られています。1991年創業と比較的新しいながらも、伝統的製法を大切にし、質の高い製品づくりに定評があります。
日本で「スペシャル」として流通しているこのバルサミコは、実は熟成年数8年程度とされています。しかし、その味わいは熟成25年以上のトラディツィオナーレに匹敵するほど濃密で、非常にまろやかな甘みを持っています。
その秘密は、上質な煮詰めたブドウ果汁(モスト・コット)をふんだんに使い、砂糖やカラメル色素などの添加物を一切加えていないこと。さらに、オークやチェリー、ジュニパーなど複数の木樽で熟成させることによって、果実の芳醇さとバルサミコ独特の酸味が見事に調和しています。
モンテベロ スペシャル バルサミコ 250ml
まるでリキュールのような濃厚な甘み
実際にモンテベロ スペシャルを使ってみると、その粘度にまず驚かされます。グラスから糸を引くようなとろみは、もはやソースやシロップに近く、冷たいデザートにかけたときには美しい艶も楽しめます。
味わいは、バルサミコ特有の酸味がやわらかく抑えられ、その分、ブドウの甘みと熟成による奥行きが際立っています。香りには干しぶどうや黒蜜、熟したイチジクを思わせる重層的なニュアンスがあり、口に含むたびに違う表情を見せてくれます。
まさに「数滴で料理の格を上げる」調味料。とりわけ、パルミジャーノ・レッジャーノやブルーチーズといった塩気の強いチーズと合わせると、その甘みとのコントラストが絶妙です。また、バニラアイスにひと垂らしすれば、それだけで高級レストランのデザートのような仕上がりになります。
海外では“DIAMOND”としても評価される逸品
興味深いのは、このモンテベロ スペシャルと同等スペックの製品が、海外では別名で展開されているという点です。
例えばアメリカでは「DIAMOND(ダイアモンド)」、ヨーロッパでは「FM O2」や「Papillon Diamond Gold」といった商品名で販売されています。どれも高密度で砂糖不使用、レストランや料理コンテストのプロの現場でも使われている実力派です。
実際、Papillonシリーズはフランスの料理大会で採用され、欧州王室にも納品されているという話もあります。これらはすべて、Fondo Montebelloの蔵で造られた同一系統の商品であり、名称はマーケットごとに最適化されているにすぎません。
つまり、日本国内で「モンテベロ スペシャル」として購入できるこの一本は、世界でも高い評価を受けるグローバルスタンダードな味といえるのです。
保存のコツと、日々の使い方
モンテベロ スペシャルは、保存料などを含まず自然の成分だけで構成されているため、直射日光や高温を避けた常温保存が基本です。冷蔵庫に入れる必要はありませんが、開栓後は酸化を防ぐためにしっかりと栓を閉めて保管してください。
また、粘度が非常に高いため、注ぎ口に液だれが起こることがあります。使い終わったら、布やキッチンペーパーで軽く拭き取るのがおすすめです。
料理への使い方としては、前述のチーズやアイスのほかにも、焼いたお肉やフォアグラ、あるいはフルーツのマリネなど、甘味と酸味を生かしたいシーンで非常に重宝します。
最後に
バルサミコ酢といえばサラダドレッシングのイメージが強いかもしれませんが、「モンテベロ スペシャル」はその枠を大きく超える存在です。とろりと濃厚な甘さ、果実味のある香り、そして料理に高級感をもたらす深み。
毎日の食卓に少し贅沢なアクセントを加えたいとき、ぜひ手に取っていただきたい一本です。